「Minecraft Bedrock Server」(統合版マルチサーバ) を運営している皆さん、日々の管理お疲れ様です。
自分でサーバーを立てると自由度が高くて楽しい反面、「荒らし行為」は運営者にとって非常に深刻な問題となり得ます。
せっかく作った建築物を壊されたり、他のプレイヤーへの迷惑行為は、コミュニティの健全性を損なうだけでなく、サーバー運営の意欲を削ぐ大きな要因となってしまいます。
そこで今回は、Bedrock Serverに標準で備わっている機能を活用して荒らし行為への具体的な対策方法をまとめてみました。
対策の基本!サーバーへの参加者を制限しよう(ホワイトリスト機能)
最も基本的かつ効果的な荒らし対策は、サーバーに参加できるプレイヤーをあらかじめ決めてしまうことです。
そのために使うのが「ホワイトリスト」機能です。
この機能を有効にすると、運営者が「許可したプレイヤー」だけがサーバーに入れるようになり、不特定多数の見知らぬユーザーによる荒らしのリスクを根本からシャットアウトできます。
信頼できる仲間だけのプライベートなサーバーを作りたい場合に、必須とも言える設定です。
ホワイトリスト機能を有効にする
まずは「ホワイトリスト」の機能を有効化します。
「Bedrock Server」がインストールされているディレクトリにある「server.properties」ファイルをテキストエディタで開き、「allow-whitelist=false」という項目を「allow-whitelist=true」に変更します。
設定を反映させるために「Bedrock Server」を再起動させてください。
ホワイトリストで許可するプレイヤーを追加・管理する
ホワイトリスト機能を有効にしたら、次はサーバーに入れるプレイヤーをリストに登録していきます。
この操作は、「Bedrock Server」を起動しているサーバーコンソール(黒い画面)で行います。
- ホワイトリストにプレイヤーを追加: whitelist add プレイヤー名
- ホワイトリストからプレイヤーを削除: whitelist remove プレイヤー名
- ホワイトリストの確認: whitelist list
「Bedrock Server(統合版マルチサーバ)」の場合、whitelistコマンドはゲーム内から実行することができませんので注意してください。
ホワイトリストについて、より詳しい説明を下記のページでまとめていますので良ければ参照してみてください。

適切な権限設定でサーバーでの役割を明確にしよう
サーバーに参加するプレイヤー全員が、同じ操作ができる必要はありません。
プレイヤーの役割に応じて「権限」を正しく設定することは、意図しないワールドの改変を防ぎ、安全でスムーズなサーバー運営を実現するための非常に重要な対策です。
3つのプレイヤー権限レベル
「Bedrock Server」では、プレイヤーに以下の3つの権限レベルを設定できます。
- visitor(ビジター):見学者用でワールドに影響を与える行動がほとんどできません
- member(メンバー):一般プレイヤー用で通常通りプレイするための権限を持っています(初期設定)
- operetor(オペレーター):サーバ管理者用で多くのコマンドを使用することができます
最重要!管理者権限「operetor(オペレーター)」の設定方法
operator(オペレーター)略してOPは、サーバーを管理するための非常に強力な権限です。
OP権限を持っているユーザは、サーバに影響を及ぼす多くのコマンドを使用できるので、悪用されるとワールドをめちゃくちゃにされてしまう危険性もあります。
そのため、必ず信頼できるプレイヤーにのみ付与するようにしてください。
最初のオペレーターを設定する(サーバーコンソールで操作)
一番最初は、OP権限を持っているユーザがいません。
まずは、「Bedrock Server」が動作しているサーバコンソールから以下のコマンドを実行し、自分にOP権限を与えてください。
op プレイヤー名
サーバーコンソールでプレイヤーからOP権限を剥奪したい場合、以下のコマンドを実行してください。
deop プレイヤー名
ゲーム内からOP権限を管理する
一度誰かがOPになれば、そのプレイヤーはゲーム内から他のプレイヤーにOP権限を付与したり、OPを剥奪したりすることができます。
ゲーム内からコマンドを実行する場合は、先頭に /(スラッシュ)が必要です。
OP権限を付与する
/op プレイヤー名
OP権限を剥奪
/deop プレイヤー名
ゲームルール(gamerule)を調整して、ワールドの環境を守ろう
ワールド内のゲームルールを変更することでも、荒らしへの耐性を大きく高めることができます。
サーバコンソールからやOP権限を持っているプレイヤーであれば、コマンド一つで世界のルールを書き換えることが可能になります。
ここでは、荒らし対策として特に有効な2つのゲームルールをご紹介します。
TNTによる爆発を無効化 (tntexplodes)
その名の通り、TNTの爆発をON/OFFするルールです。
falseに設定すると、TNTに火をつけても爆発しなくなり、アイテムとしても残りません。
大規模な地形破壊や建築物爆破といった、最も悪質な荒らし行為を未然に防ぐことができます。
- ゲーム内から設定: /gamerule tntexplodes false
- サーバーコンソールから設定: gamerule tntexplodes false
trueに設定するとTNTによる爆発を有効化します。
プレイヤー同士の攻撃を無効化 (pvp)
“Player vs Player”、つまりプレイヤー間の直接攻撃の可否を設定します。
falseにすると、他のプレイヤーを剣などで攻撃できなくなります。
プレイヤーキル(PK)によるアイテムの奪い合いや、一方的な攻撃といった迷惑行為を防ぎます。
- ゲーム内から設定: /gamerule pvp false
- サーバーコンソールから設定: gamerule pvp false
trueに設定すとプレイヤー同士の攻撃を有効化します。
問題プレイヤーへの対処法:「kick」と「ホワイトリスト」の活用
これまでの対策をすり抜けて荒らし行為を行うプレイヤーがいた場合、最終手段としてサーバーから強制的に退出させる必要があります。
「Bedrock Server」では、そのためのコマンドとして一時的な追放を行う「kick」コマンドが用意されています。
Java版のマインクラフトでは永久追放を行う「ban」というコマンドがありますが、「Bedrock Server」には存在しません。
その代わりに、「Bedrock Server」では「ホワイトリスト」機能を利用して、許可していないプレイヤーのアクセスを永続的に拒否する、という方法でサーバーを守ります。
一時的な追放「kick」コマンド
軽いルール違反への警告や、サーバーメンテナンスの通知などに使う、一時的な追放コマンドです。
「kick」されたプレイヤーはサーバーから強制的に切断されますが、ペナルティはそれだけで、すぐにサーバに再接続することが可能です。
主な使い道としては以下のような場合が想定されます。
- チャットでの暴言など、ルール違反に対する最終警告
- サーバー再起動の前に、全プレイヤーに一時退出してもらう
- 放置(AFK)プレイヤーへの対応
kickコマンドの実行方法
kickコマンドの実行方法は以下のとおりです。
ゲーム内から実行する場合は、OP権限を持っているプレイヤーで実行する必要があります。
- サーバコンソールから実行: kick プレイヤー名 理由
- ゲーム内から実行: /kick プレイヤー名 理由
永久的にアクセスを禁止したい
「kick」コマンドでは一時的に悪質な荒らしプレイヤーをサーバー追い出すことができますが、永久に追放するためにはどうしたら良いでしょうか?
Bedrock Serverで特定のプレイヤーを永続的にサーバーから締め出すには、「ホワイトリスト」機能を活用します。
アクセスを禁止したいプレイヤーを設定するのでなく、「ホワイトリスト」機能を使ってアクセスを許可するプレイヤーを設定する運用になります。
ホワイトリストに登録されているプレイヤーが荒らし行為を行っている場合は、ホワイトリストから該当のプレイヤーを削除してから「kick」してしまいましょう。
これが実質BANとして機能します。
ですので、基本的にホワイトリスト機能は有効化して運用することが、サーバを守るためにも重要になります。
最後の砦!ワールドデータのバックアップ
どんなに完璧な対策をしても、荒らされたり、予期せぬトラブルでワールドが壊れてしまう可能性はゼロではありません。
そんな万が一の事態に備え、ワールドデータを「巻き戻す」ための最後の保険、それがバックアップです。
ここでは、「どのような考え方で」「いつ」「どのファイルを」バックアップすべきかについて解説します。
バックアップの大原則! 必ずサーバーを停止する
まず、最も重要な大原則からお伝えします。
安全なバックアップを行うためには、「Bedrock Server」を停止させてから作業を行いましょう。
「Bedrock Server」が動いたままデータをバックアップすると、データが破損してしまい、いざという時に復元できない「壊れたバックアップ」になってしまう危険性があります。
2つのバックアップ方法を賢く使い分ける
バックアップには、大きく分けて2つの方法があります。
それぞれの特徴を理解し、目的やタイミングに応じて使い分けましょう。
- 丸ごとバックアップ:「Bedrock Server」のインストールディレクトリを丸ごとバックアップ
- 必要最低限のバックアップ:ワールドデータと設定ファイルのみバックアップ
それぞれのメリットとデメリットおよび、バックアップを取得するタイミングについて説明をしていきます。
丸ごとバックアップ
「Bedrock Server」のインストールディレクトリを、丸ごとバックアップする方法です。
メリット
すべてのデータがバックアップされているため、リソースパック等を含めたサーバ環境全体の復旧がとても簡単です。
デメリット
普段は変更が無い「Bedrock Server」の実行ファイルやリソースパック等も毎回バックアップされるため、バックアップデータのサイズが大きくなり、バックアップが完了するまでの時間も長めになってしまいます。
バックアップタイミング
サーバーの環境が大きく変わったタイミングでのバックアップ取得がおすすめです。
- バージョンアップを行った場合
- リソースパックやビヘイビアーパックを追加・変更した場合
最低限のバックアップ
日々の運用で変更される、ワールドデータと主要な設定ファイルのみをバックアップする方法です。
バックアップ対象
- ワールドデータ:worldsディレクトリ
- サーバの設定ファイル:server.properties
- プレイヤー権限設定ファイル:permissions.json
- ホワイトリスト登録ファイル:allowlist.json
メリット
バックアップの対象となるデータが少ないため、バックアップにかかる時間が短く、バックアップデータのサイズも小さくなるのでストレージ容量も節約できます。
デメリット
この方法ではリソースパックやビヘイビアーパックのバックアップは取れません。
バックアップタイミング
バックアップの頻度を上げれば、万が一の際の巻き戻りは少なくなりますが、その分サーバーの停止回数が増え、プレイヤーが遊べる時間が減ってしまいます。
ここで考えるべきは、「もし今データが消えたとして、どれくらい前までなら諦めがつくか?」という点です。
プレイヤーが寝ている深夜や早朝などに最低でも1日1回はバックアップを行い、被害を最小限に抑える運用をおすすめしますが、サーバーのプレイスタイルに合わせて、最適な頻度を見つけましょう。
リストア(データの復元)基本手順
バックアップは、元に戻せて初めて意味があるので、基本的な復元の流れもしっかりイメージしておきましょう。
- 「Bedrock Server」の停止
- 現在のデータを退避
- バックアップデータから復元したいデータをコピー
- 「Bedrock Server」を起動して動作確認
復元作業に失敗した場合に備えて、現在のデータをリネームして保護します。
(例:worldディレクトリをリストアする場合は、worldディレクトリをworld_oldといった名前変更)
復元したい時点のバックアップデータから、必要なデータ(worldディレクトリ等)を元の場所にコピーします。
データが復旧していることを確認してください。
まとめ:あなただけの安全なサーバーを育てていこう
この記事でご紹介した「ホワイトリスト」や「権限設定」、「バックアップ」などは、少し面倒に感じるかもしれません。
しかし、これらは全て、あなたとあなたの仲間が築き上げた大切なワールドを、悲しい出来事から守るための強力なツールです。
荒らし対策は、一度設定したら終わりではありません。
サーバーを運営していく中で、「こういうルールがあった方がいいね」「この設定はうちのサーバーには合わないかな」と、仲間と話し合いながら少しずつ改善していくものです。
完璧なセキュリティを目指すのではなく、まずは「これならできそう」という対策から始めてみてください。
そして何より、あなた自身がサーバー運営を楽しむことを忘れないでくださいね。
快適で楽しいMinecraftライフが、この先もずっと続くことを心から願っています!
コメント